2000 NHK杯国際フィギュアスケート競技大会(第22回)-6

大事なご挨拶を済ませたり、いろいろ荷物を整理して、さて、エキシビション!
嬉しいよ、こんなニコニコ気分でEXを観られるのは。

トップは、章枝ちゃん。
曲は『アヴェ・マリア』。薄紫の半袖の、いつかマドンナを滑ったときと同じ衣装かな。
清涼感のある、とても章枝ちゃんに合ったプログラムだ。

続いて、もう武史くんが出てきてしまうのね・・・と、思ったら。
「特別ゲストです」のアナウンスとともに、あらぁ~。トベル氏登場。
うう~ん、一個枠がとってあったのか? とふと考える。しかしトベルのEXまで観られるなんて、これはラッキー!

が、しかし。
この人選は、いまひとつ大会の雰囲気には合っていなかったようで(^^;・・・。少々気の毒であった。
客層によっては爆笑の渦になったかもしれないのに、やはり日本では辛いんじゃないかなぁ。引き気味の会場。。。
ピンクパンサーか白鳥みたいに、思いっ切りわかりやすい構成ならよかったのかしら。

そしてこれから、彼はどうするのだろう? 今後の道は?
わからない。
男子4位、今度こそ本当に武史くんが。
写真だけ見たことのある、はじけた“Mambo”ではなく。いつもの青のグラデーションの衣装で『I could not ask for more』。
今回の成績では、やっぱりmamboはナシかもね。それとも日本のお客さんには合わないか、との判断?

でもこのプログラム、大好きだから。そろそろ見納めかもしれないし・・・。『I believe I can fly』も好きだったなぁ。
どちらも、ふわ~っと風をはらんで飛んでいくような、そんな雰囲気が彼に実に良く似合う。
つるつる流れる足捌き、まるで氷上に浮いているようなさまをじっと見つめて、もう、なぁんて伸び伸びと滑ってるんでしょ。
大きくて。

終盤、するっとエッジを乗り換えて長く長く弧を描くスプレッドイーグル、これだけで至上の幸福と思ってしまうからわたしは単純だ。
大きな流れは同じでも、細かいところで中身が変わってるね? うん。
プログラムは溶けこんで、本当にナチュラル。
氷上には武史くんが居て、しかし武史くんが居るわけじゃなくて、でもしっかり武史くんが居て。

全身で音楽を滑るって、こうなのよね。。。

はい、放心状態です。余韻をいつまでも噛み締めていたいほど。
だから武史くんの直後に滑る人には、いつも申し訳ないことをしてしまう。
覚えて・・・いないのよ・・・(T_T)。その場ではしっかり観ているはずなのに。ゴメンナサイ。
今日の被害者(!)は、アイスダンスのグルシナ&ゴンチャロフでした。ほんとに、もう。。。

女子4位、ニコディノフ。
やはりしっとり系女性ボーカルで。。。US女子のEXは、こういうのが多いかも。
でも、今日の彼女はしっかりスケートを見せてくれました。競技中よりリラックスしてたような(当たり前か)。

ペア4位、パン&トン。
EXにもずっと使ってる、SPのタンゴ。
このプログラムはけっこう好きなんだ~。衣装も素敵だし。
彼らの代表的プログラムになるんじゃないかしら(まだ早いってヾ(^^;)。

ここから3位。
男子は、李くん。。。。。。。。あ。あ?
あああ~~~!??
そ、そ、その格好は一体・・・(驚愕)。

ぶっとびました。
一瞬、何も着てないのかと思った。んな筈はない。
全身肌色のボディタイツ、そして腰蓑。両足首にも、蓑風がついてて。
ざわめく会場、トベルくんとはまた別の意味で戸惑いが広がっていく。。。

昨シーズンの、獣のEXナンバーにちょっと似た雰囲気の、おそらく原始の人を表しているのだろう。
これこそまさに、彼にしか作れない雰囲気、彼にしか演じられない世界だ。

九割以上の観客に反対されるかもしれないが、このプログラム、悪くはないと思う。
衣装さえ頭の中からはずせば。
目の前でやられると、それが一番難しいっ! ちゅう話ではあるんだけどね・・・(^^;。

何より、ここまで独自の世界を作り上げ、さらに模索を続けているだろう彼の姿勢が凄いと思う。
昨シーズンの伝説の獣だって(勝手にそう解釈してます)、あれ、他の誰にも真似できないよ。
だから。

衣装、頑張って考えて変えようねっ!!

コスプレしなくたって、充分雰囲気は作り出せるだろう。きみならね。

ダンスの3位、ウィンクラー&ローゼ。
ある意味、ホッとした空気が流れたりして(たはは^^;)

洒落た構成の、アルゼンチンタンゴ。
男女別々に出てきて、男性が煙草を消すフリまでして、登場から凝ってるんだわ。
EXナンバーのほうが、正統派アイスダンスって感じがしました。

女子3位のタチアナさん。
復活が嬉しく、しかしEX内容を覚えていない。。。
確かしっとり系のナンバーではなかったかと。
(既に2カ月が経過しており・・・申し訳ないです)

ペア3位、ペトロワ&ティホノフ。
アジアンなのかアフリカンなのか、それともやはり原始人か。
祈りを捧げるようなポーズから始まり、おそらくは神秘的な祭事か何かを表そうとしているのか。
西欧の方が演じるエキゾチック・オリエンタルは、当事者であるこちらからすると何と言ったら良いかわからなくなる。
何故、この題材を選んだのだろう。いつか聞いてみたい気がする。。。彼らだけではなくてね。

エキシビション第一部、終了。
昨年みたいに、ノービスやジュニアの子たちの演技が観れないかなーと思ったのだけど、今年は無かった。
ちょっと残念。

第二部は、ペアから始まった。
2位の、サラ&ステファン。
サラちゃん、青の全身タイツ、スカート無し。
しっとり女性ボーカルに乗せて、アクロバティックな演技。。。ちょっと不思議な構成だ(^_^;。
そしてステファン、力持ち~。

女子2位、マリアさま(何故に“さま”をつけてしまうのか・・・)。
あ、笑顔だ、良かったあ。
真っ青の地に金色で、古代壁画風模様の衣装。
そして、中近東風の音楽にて、手のひらを上に向けて、それはアラビアですかエジプトですか。
いえ、マリアが悪いわけでもなんでもないんだけれど・・・(^^;。流石に雰囲気づくりはとても上手いし。

昨シーズンまで遡っても、なんだってこんなにモチーフとして使われるんだろうな。
いくら使われても使われても、彼らにとっては神秘的なもので、使ってみたいテーマなのでしょうか?
んだけど、ポーズにはそろそろ独創性を求めたい。

ダンス2位、リタさん&バナさん。
ギリシャ神話の悲劇がモチーフとのこと。アナウンスで、物語の説明がされた。
だけど長くて、あらすじが掴めなかった(ごめんなさい^^;)。
波の音、ゆっくりした音楽。
バナさんが背中を氷にペタッとつけて寝てしまうリフトで、拍手と歓声。口笛まで飛んでいた。

男子2位、クリムキンくん。
出てきた姿は、フリーと同じ葉っぱの衣装。
あれれ、またフリーをやるの? EXナンバーが観たかったなぁ。

おそらく、いまひとつ上手くいかなかったフリーを、今度はしっかり見せてやるぞということか。
(そういえばさっき。武史くんもEXにSPのドン・キを持ってくるのではないかと、密かに少々心配したことをここに告白いたします(^^;。「ほんとはちゃんと出来るんだぜぇっ!」ってやるのは、けっこうよくあることだったりするでしょ)

ペアの1位、雪ちゃん&宏博にいさん。
白いシャツに黒のパンツ、そのいでたちは昨シーズンの世界選手権と同じ?
んでもって選曲は、アニシナさんたちのフリーと同じ、ベートーベンのアレンジ!

うひゃー。
こういうかぶり方は、なんといったら良いのか。
音楽と衣装も合ってないし~(T_T)。

そしてここからアンコール付き。
アンコールには、やる内容は同じでも、BGMとして開催地のお国柄ソングをもってくるのが、このペアの十八番。
今年はモー娘かぁ。。。(ちゃんと調べてくるんだね。それとも現地で聞いて買うのかな?)

高~~いツイストリフトにスロウジャンプ! それだけで血が騒ぎます。最後は変形リフト。
これまた音楽には合ってないけどね(笑)。それは仕方が無いわ。

女子の1位、スルツカヤ。
『シンドラーのリスト』。悲しい音楽でしっとりと滑る。
こういう音楽が「借り物」じゃなくなってきているのね。

そしてジャンプは力強く! うん、持ち味は変わっていない。
結婚、結婚と言われるが、人間、結婚したからといってそうそう簡単に変わる訳が無いのだ(笑)。いや、変わることは変わるんだけど・・・それを理由にされるのは嫌だろうなぁ。
物語をぐっと掘り下げられるようになるのは、何時頃になるだろう。

アンコールで、何故か山下達郎の『ラストクリスマス』? 選曲は誰?(^^;
これまたBGMにて。

ダンス1位、アニシナ&ペイゼラ。
衣装を見て、心臓がドキンと跳ねた。『エスメラルダ』!
昨シーズン、世界選手権のEXをTV放送で観て、物凄く感動したプログラム。
生で観られるなんて。

「ノートルダム・ド・パリ」。
ディズニー映画はハッピーエンド風に作り変えられていたけれど、原作は悲劇だ。
このプログラムは、そちらに沿っているのだろう。
エスメラルダは処刑台で息絶える。願い叶わず、嘆き悲しむカジモド。
動かぬ身体を抱きかかえ、生前最後まで遠く手の届かなかった彼女を追い求めて。。。そして。

物語を思い出しながら観ていた。たまらず涙が出てきた。
TV画面を通してですら泣いたのだもの。目の前で観たら、たまらないよ。
そしてグェンダルの表情が・・・いいのだ、ものすごく。美男子グェンが醜男カジモド役、というのはおいといて。
舞台役者の顔。(凄くいいときの武史くんも同じ。そういう顔になるんだよね)

スケート観ている気がしなかった。

割れんばかりの拍手。
間違い無く、今日一番だろう。
会場中の心を揺さぶった、ひとつの物語。
わたし感情移入し過ぎかしら。

アンコールは、がらりと変わってノリノリのロック(と言っていいのかな?)。
気持ちを引き戻すのにえらい苦労した(笑)。

いやしかし、この後滑る人はどうすんの、と一瞬心配しかけて。
最終演技者はプルくんだった。
あはぁ、そんなら大丈夫だ。というより、対抗馬はきみしかいないよ。

リンクサイドにいるときから(だって真正面なんだもん)やたらと目立っていたわ。花束投げ込んだりして。
蛍光オレンジのTシャツ、模様はどでかいヤシの木にパイナップル、んでもってズボンも靴カバーも蛍光イエロー! お目目がチカチカする~!(^^;
そして帽子は必需品なのね。これも同じく蛍光イエロー。一体何をする気なの~?

音楽は、ハイテンポのルンバというかサンバに近いというのか、なんて言うんだろこのリズム。
マラカス持って振りたいようなそんなリズムで、歌が入ってた。
で、特にプログラムというよりは、愛嬌を振りまきながらリンクを滑って回り、時折ジャンプ・スピン・ステップ等の技を見せる、といったもの。

手拍子の中、客席にちょっかい出して、帽子投げようとして投げなかったり、果ては客席乱入まで(視界から消えた次の瞬間、黄色い悲鳴 or 歓声が聞こえたので、きっとそうだろう^^;)。
以前どっかに居たぞ、こんな選手(笑)。

アンコールもあったはずだが、これは覚えていない。
たぶん、何か技を見せたのだと思う・・・。

このあたりで、東京行き最終便に乗る人たちが、ばらばらと席を立った。
タクシー呼んでおいて、大急ぎで空港に行かないと、間に合わない時間。
またねまたね、また来週ね! 長野でね! と慌しく挨拶して。
(わずか1週間後が全日本だ)
フィナーレ。
まずは種目ごとに選手が出てきて、技を見せてくれます。
いつもとだいたい同じ感じ。大抵やることは決まっているんですが(はは)。

ペアはもちろんデススパイラル。
今回はちゃんと全員回れました(笑)。
*昨シーズン四大陸選手権フィナーレ・ペアの項参照のこと(^^;。

女子は、レイバックスピン。
出方をもうすこし凝ってくれると嬉しいなぁ~、なんて思ったりして(贅沢な)。

アイスダンス、いつも洒落てるんですが、今回は。
順に並んで、コンパルソリーのステップを踏みながら入場。多分リズムはマーチだと思う。。。違ってたらご指摘下さい~。

そして男子。全員ショートサイドに横に並び、一斉にリンクの長い辺を助走してジャンプ!
これだけ揃うと壮観。

んでもって、武しゃあんっ!
貴方、コレが一番きれいだったじゃないのよっ!(^_^;
本番で是非それを~~!!
ひとりじたばた騒いでおりました。高いしさ~、距離出てるしさ~

ずらりと選手が一列に並んだところへ、フラワーガール&フラワーボーイによる花束贈呈。
ちっちゃい子からおっきい子まで、順に花を持って出てくる。

えーとね、今日一日、ちょっとしたスター(!?)だったフラワーボーイくんがおりまして。
何歳くらいなんだろうな、実にその、フィギュアスケーターらしからぬ、まぁるっこい身体。
ころんころんなの(^^)。
その子が花を拾いに出てくると、妙に場が和んでいたという。。。

その坊や、花を持って、目指す選手に突進し・・・直前で、つるんっ! とこけてしまったのでした。
彼のお相手はプルくんで。
てへへへ~、と笑って頬を上気させながら、お花を渡しておりました。
彼の目に、プルシェンコ選手はどのように映っていたのでしょう?
何年か経っても、覚えているのかな。

その後は一緒にリンクを周回、今もらった花束は、あっという間に客席へ。。。

そして恒例、サインボール投げ。
わたし、どーしてもこれって縁が無いのよねぇ~(T_T)。何故に!?
珍しくばしっと受けとめても、誰のサインだか皆目見当がつかなかったり。
今回も半ば諦めてたところに、ぽこん、と流れ玉。誰かに当たって跳ねかえった奴だ。
そして、やはり判別がつかない。。。

物欲が無いからだろうか。。。ってそんな莫迦な(^^;。んなこたぁない。
人並みに欲はあるんですけどぉ!

ボール投げも終わり、今度こそ本当に最後。
ああ、終わっちゃう。NHK杯が。
選手が全員引き上げてしまって・・・。

あ。

SEE YOU IN KUMAMOTO !! (正しい表記は自信ナシよん^^;)

く。く。く。
くまもとぉ~!!?

北海道の次は九州かい。
なんだってそう~極端に走るかね(^^;。
ま、いいや。熊本、行ったこと無いし。楽しみだわんっ!

スクリーンに浮かんだ文字を見て、早くも来年への決意を新たにするのでありました。

さて。会場を出る前に、エルヴィスファンMさんから横断幕を預かって。
その後、数少ない“今日も居残り組(厳密には違うのだが)”と落ち合って。
晩御飯を食べようね。
祝杯、っていうのは、違うんだろうけど。。。

ざくざく、と凍った雪を踏みしめて「大雪地ビール館」へと向かった。
折角ですもの、ねぇ、その(笑)。
今日のメンバーは、金曜日にご一緒した道民Hさん、それからこの後札幌方面へと向かう若いMaちゃんとそのお友達。
一応、二十歳を越えてるということで安心して(^_^;。

地ビールお試しセット4種750円が、いま1種類切れているので3種で500円、というので迷わず最初はそれにして(わたしはね^^;)、最後の旭川の夜に乾杯。
ワインも飲みつつ、しばらくお喋りに花を咲かせる。
地ビール館のおにいさんたちも、感じが良かった。

皆のもらったサインボールを見る、ううっ「TOBEL」ってしっかり書いてある。
「Maria. B」ってはっきりくっきり書いてあるぅ~!!

わたしのボールは・・・「M. tevy」(しかも多分、の注釈付き)
どこのどなたのサインだったのでしょう? 思い当たるフシのある方、是非是非お知らせ下さい!
ひょっとして、偉~いコーチだったりとか、さ(^^;

駅で、改札口まで皆を送って、売店でまたちょっと飲み物買って(今日が最後だからね←言い訳)。
ホテルの部屋で、PCを立ち上げつつ、ニュースが流れないかとTVもつけて。
ゆっくり今日を反芻する。

あっ・・・。ひとつ、思い出し笑い。
今日の、男子フリー。6分間のウォーミングアップのときの武史くん。
まっすぐジャッジのほうに向かって滑ってきて、そのシーンはサルコだねっ!・・・転倒。ジャッジの真正面で(T_T)。

うう~・・・そんなところでぇ・・・。とぐずぐず言っていたら、
終了直前にもう一度、まっすぐジャッジめがけて滑ってきて、えいっ! 成功~!! ひゃっほー!\(^^)/
そんな強気な貴方が好き(笑/練習中なんだけどネ・・・)。

これ、わたしの目には4回転に映ったんですが・・・実際はどうだったんでしょ?
何せ、依怙贔屓の武史くんなもんで(^^;。

さて。
明日はとうとう帰京、か。。。
まだもうちょっと、続きます。おまけ。